
派手な衣装よりも、私服に惹かれる
ビデオを観ていて、一番ドキッとするのはどんな瞬間でしょうか。バッチリ決めた衣装に着替えた後よりも、実は現場に現れた瞬間の「普通の私服」姿に、僕は強く惹かれてしまいます。
世の中には豪華なコスチュームもたくさんありますが、僕のライブラリ(図鑑)で大切にしたいのは、その子が日常で着ているような、なんでもない服です。流行りに少し乗り遅れていたり、何度も洗ったような柔らかい質感だったり。そんな「どこにでもいる女の子」としての姿が見えたとき、僕の心は一気にその子の方へ引き寄せられてしまいます。
「生活感」こそが、最高のスパイス
なぜ、普通の服がこれほど魅力的なのでしょうか。それは、その服に彼女の「生活」が透けて見えるからだと思います。近所のコンビニへ行く時に羽織るようなカーディガンや、少し使い古したバッグ。そんな些細な部分に、彼女が本当に実在する一人の女の子なんだというリアリティを感じるのです。
40代になって、作り込まれた非日常の美しさよりも、日常の延長線上にある「体温」のようなものを求めるようになりました。着飾っていないからこそ、その奥にある彼女自身の素顔を覗き見ているような、不思議な色気を感じてしまうのです。
「服に着られている」不器用さが愛おしい
特に、少しサイズが合っていないような「普通の服」には、なんとも言えない健気さがあります。お気に入りのブラウスなのに肩が少し落ちていたり、丈が長めのスカートを一生懸命に直していたり。そんな不器用な姿を見ていると、プロのモデルさんには出せない「素人っぽさ」が際立ちます。
自分を一番きれいに見せる方法を知らない、その「無防備さ」こそが、僕たちを沼に突き落とす正体なのかもしれません。親戚のお兄さんのような気持ちで、「その服、似合ってるよ」と心の中で声をかけたくなってしまいます。
飾らない姿を、図鑑に記録しておきたい
こうした「普通の女の子」としての輝きは、活動を続けるうちに少しずつ洗練されて、消えていってしまいます。メイクを覚え、高い服を着るようになり、プロの顔つきになっていく。それは喜ばしいことですが、あの時の「普通さ」が失われるのは、やっぱり寂しいものです。
だからこそ、まだ何者でもない一人の女の子が、いつもの服でカメラの前に立ったあの一瞬を、僕はライブラリに書き残しておきたいのです。今夜もまた、飾らない姿で現れた一人の「普通の女の子」の記録を、大切に図鑑の一ページに加えていこうと思います。

