​コラム#003 昔「ジャケ買い」、今「サムネイル」

パッケージだけで勝負した「ジャケ買い」の時代

僕らの若い頃は、作品を選ぶ基準といえばパッケージの表紙がすべてでした。レンタルビデオ店の棚に並んでいるビデオケースを手に取って、表紙の写真一枚から、中身がどんな感じなのかを必死に想像したものです。

当時は今みたいに事前に中身を確認できるプレビュー動画なんてありませんでした。だから、表紙の女の子の表情や、ちょっとしたキャッチコピーだけを信じてレジに持っていきました。あれはまさに、自分のお小遣いを賭けた真剣勝負だったような気がします。


外したときの悔しさと、当たりを引いたときの喜び

でも、現実はそんなに甘くありませんでした。家に帰ってワクワクしながら再生ボタンを押すと、「あれ、表紙と全然違う……」とガッカリすることもよくありました。いわゆる「ジャケ詐欺」というやつですが、それも含めて当時のビデオ選びの醍醐味だったのかもしれません。

逆に、期待していなかった作品で最高の「逸材」に出会えたときは、自分だけが宝物を見つけたような誇らしい気持ちになりました。不便だったからこそ、一本のテープを最後までじっくりと見る、あの濃密な時間があったのだと思います。


便利すぎるサムネイル、失われたワクワク

今は本当に便利になりました。スマホを開けば、高画質なサムネイルが並んでいて、少しカーソルを合わせるだけで中身がパラパラと確認できてしまいます。失敗することはほとんどなくなりましたが、その分、一つひとつの作品に対する思い入れは薄くなってしまったようにも感じます。

情報が多すぎるせいで、どれを見ても同じように見えてしまったり、選ぶこと自体に疲れてしまったりすることもあります。便利すぎるアクセスが、逆に僕たちの「探求心」を少しだけ鈍らせているのかもしれません。


あの頃の感覚を取り戻したい

そんな時代だからこそ、僕はあえて効率ばかりを求めないようにしています。このブログを「コレクション」と呼んでいるのも、かつてのレンタルビデオ店の棚を眺めていたときのような、あのワクワク感を大切にしたいからです。

たくさんの作品を流し見するのではなく、僕自身の審美眼で選んだ「本物」だけを丁寧に紹介していきたいと思っています。仕事で忙しい毎日ですが、夜にここを訪れたときだけは、あの頃のように純粋に作品を楽しめる、そんな隠れ家のような場所にしていければ嬉しいです。(管理人記)