
先日、以下のコラム記事を書きましたが、続編です。ビデオパッケージについてさらに思い出が蘇ってきました。

想像をかきたてる魔法の一行
昔のビデオの表紙には、今のネット動画では見かけないような、独特な言葉がたくさん並んでいました。「ついに解禁!」とか「衝撃のデビュー」といった、少し大げさな文字が太く書かれていたのを覚えています。中学生だった僕たちは、その短い一行を読むだけで、まだ見ぬ世界への想像をどこまでも膨らませていました。言葉の力だけで、胸の鼓動が速くなるような、そんな不思議な魔法がそこにはありました。
忘れられない「素人」という響き
特に心に刺さったのは、「隣の家に住んでいそうな」とか「街で見かけたあの娘」という言葉です。プロの女優さんなのに、あえて「普通の子」であることを強調するフレーズに、僕たちはめっぽう弱かった気がします。どこかに本当にいそうな、等身大の女の子を連想させるキャッチコピーは、遠い世界の出来事を、急に自分のすぐ近くのことのように感じさせてくれました。その「近さ」こそが、何よりの魅力でした。
手書きのメッセージの温かさ
キャッチコピーの中には、女優さんの手書きをそのまま印刷したものもありました。「一生懸命がんばりました」とか「恥ずかしかったけど見てください」という、少し震えたような文字。それを見ると、単なる商品としてではなく、一人の女の子が勇気を出してそこに立っているんだ、ということが伝わってきました。洗練された宣伝文句よりも、その拙い言葉の方が、ずっと深く心に響いたのを覚えています。
答え合わせをする楽しみ
ドキドキしながらビデオを借りて、家に帰ってから再生ボタンを押す。その瞬間は、パッケージの言葉が本当かどうかを確かめる「答え合わせ」の時間でもありました。期待通りだった時も、ちょっとイメージと違った時も、あのキャッチコピーに踊らされた時間も含めて、すべてがいい思い出です。今の便利な時代にはない、不器用で真っ直ぐな言葉たちが、あの頃の僕たちの好奇心を支えてくれていたのだと思います。


